相続を意識したら、事前に準備できることがあります。
自分の住民票や戸籍謄本はいつでも取得できるようにしておきましょう。
葬儀の手配は、地元の葬儀社に依頼します。
葬儀社と事前に相談しておくと安心です。
葬儀は寺のしきたりに注意しましょう。
事前準備
相続って事前にできる準備はあるのかな?
ボクの親、地方の実家で一人暮らししてるんだよね。
自分が相続人だって証明できる書類はすぐに必要になるわ。
葬儀は地元の葬儀社に相談すると安心ね。
住民票なんかはコンビニ交付の手続きをしておこう。
葬儀社もネットで調べてみよう。
葬儀社の紹介サイトは使わない方がいいわ。
お寺はしきたりにうるさい所があるので要注意ね。
相続関係を証明する書類を取得する
自分が相続人であることを証明するために、次の書類を取得しておきます。
自分の住民票・印鑑証明
自分の住所のある市区町村から、住民票を取得しておきます。
本籍地の表示のあるものがベターです。
自分の戸籍謄本・戸籍の附表
自分の本籍地のある市区町村から、戸籍謄本と戸籍の附表を取得しておきます。
コンビニ交付を利用する
被相続人の本籍地と自分の本籍地が一致していれば、自分の戸籍謄本と戸籍の附表は葬儀後に被相続人のものと同時に取得してもかまいません。
異なる場合は、自分の本籍地の市区町村に請求することになります。
マイナンバーカードを取得しておけば、住民票・印鑑証明・戸籍謄本・戸籍の附表とも、コンビニでの取得が可能です。
なお、自分の住所地と本籍地が異なる場合、コンビニで戸籍関係を取得するためには、パソリまたはおサイフケータイ対応のスマートフォンを使った事前の手続きが必要です。
ただし、不動産登記に使用する住民票等は、コンビニで取得したものは好ましくありません。
原本提出であればよいですが、原本還付の場合、コピーが複雑になります。
各相続人の住民票や、遺産分割協議書に添付する印鑑証明などは、市区町村の窓口で取得するよう依頼します。
葬儀社を決めておく
相続手続きは自分でできても、葬儀社なしで納骨まで済ますことは現実的には難しいです。
菩提寺があればその土地、なければ葬儀を執り行う場所の葬儀社から選ぶようにします。
紹介サイトは使わない
都会で亡くなり、霊園や納骨堂は購入済み、葬儀のない直葬なら、紹介サイトで選んでもかまいません。
地方で亡くなり、菩提寺があり、葬儀を挙げる場合は、自分で直接地元の葬儀社へコンタクトを取った方がよいでしょう。
紹介サイト経由でも、結局、葬儀を執り行う土地の葬儀社になりますし、紹介料が上乗せされたプランを提示される可能性があります。
葬儀社の比較
葬儀費用の総額そのものは、葬儀社間でそれほど大差ありません。
インターネットで検索し、条件に見合った葬儀社から選んでよいと思います。
葬儀社選びは、次の観点から検討してみましょう。
斎場の場所 | 幹線道路沿いなど、参列者にわかりやすい場所にある |
斎場の建物 | 葬儀のイメージに合っている |
プランの内容 | 物品・サービスに希望と一致するプランがある |
ホームページ | わかりやすい内容になっている |
できれば事前相談しておく
葬儀に関する不明点・不安があれば、事前に葬儀社と相談することをお勧めします。
会員登録すると、割引価額になる葬儀社もあります。
緊急の場合は、病院などで紹介された(悪い評判が少ないから紹介される)葬儀社に決めてもよいし、連絡を受けてからインターネットで検索しても間に合います。
葬儀
ボクんちは先祖代々のお墓がお寺にあるんだ。
それなら、絶対地元の葬儀社に直接頼んだ方がいいわ。
お寺によっては葬儀に細かいルールがあるから。
そんなの、全然知らない...
地元の葬儀社に任せれば安心よ。
四十九日や一周忌を自分で手配するときには気を付けてね。
寺のしきたりに注意
菩提寺の僧侶とのやり取りは、葬儀社が取り持ってくれます。
地元の葬儀社を選ぶ理由はここにあります。
通夜・告別式でのとりなしや、葬儀での供花、供物について、種類や個数、配置に細かいルールがある寺もあります。
四十九日や一周忌も地元の葬儀社に依頼すれば間違いありませんが、自分で手配するときは、地元の事情に詳しい花屋さん・お菓子屋さん・八百屋さんなどに依頼しましょう。
しきたりに合ったものを、指定日時に寺へ納品してもらえます。
スーパーなどで自分で買い揃えると、失敗する恐れがあります。
香典の取り扱い
受け取った香典は、遺族を代表する喪主のものになります。
また、喪主は遺族代表として葬儀社などと契約し、費用を支払う義務もあります。
香典総額から葬儀費用を差し引いて、余ったら喪主の収入、不足なら喪主の負担になりますが、実際は遺産分割の時に調整することになるでしょう。
なお、考え方的には、香典は喪主を始めとする遺族全体に対する寄付、葬儀費用は被相続人の財産から払うもの、になります。
お金の収支としては、喪主が香典という預り金から葬儀費用を立替払いをするイメージです。
領収書・レシートは必ず保管する
葬儀に関する費用は、相続税上の費用となるので、領収書は必ず保管しておきます。
また、滞納していた公共料金を支払ったなど、生前の被相続人に関する支払も相続税上の費用になります。
なお、葬儀の手伝いに来た近隣の人に払う謝礼は、領収書までもらう必要はなく、氏名と支払額を控えておきます。
石材店を手配する
菩提寺・霊園など納骨場所が決まっていても、納骨そのもの(骨壺の安置)は自分でやらなくてはなりません。
明るくてキレイな霊園なら自分でも納骨できますが、先祖代々の古めかしくどっしりとした墓の場合、自分で開けることはためらわれます。
このようなときは、戒名の彫刻と合わせ、納骨も石材店に依頼できます。
寺によっては指定石材店があるので、事前に確認した方が無難です。