相続する不動産に関する手続きです。
相続財産の調査と確定
遺産分割協議に備え、相続財産を調べて価額をつけます。登記関係の書類は、Web上で申請・取得します。確定した財産は、相続財産一覧表(財産目録)にまとめます。生前贈与を受けた相続人がいるときは注意が必要です。
相続財産の把握漏れ
相続の財産調査で把握できず、相続漏れになってしまう場合があります。不動産は評価証明でなく名寄帳を確認することが重要です。先代の相続が漏れていることもあります。把握漏れに備えて、遺産分割協議書に後から見つかった財産の取得者を記載しておきます。
遺産分割と遺産分割協議書の作成
相続財産一覧表を基に、各相続人が相続する財産を決定します。遺産分割協議は法定相続人のみ参加できます。遺言書は遺産分割協議に優先しますが、相続人全員の同意より変更できます。法定相続割合での分割は現実的ではありません。遺産分割協議書は一定の書き方があります。
配偶者居住権の設定と評価
令和2年4月1日以降の相続開始に適用された制度です。被相続人が所有していた財産ではなく、遺言書または遺産分割協議によって、配偶者に与えることができる権利です。土地建物を子が相続するが、配偶者がその建物に住み続けるときに適用を検討します。
相続による不動産の所有権移転登記
相続した土地・建物について、相続を原因とする所有権移転登記を行います。登記申請書と記載例は、法務局のサイトで公開されています。登記申請には、申請書と被相続人と全相続人の戸籍謄本・住民票などと、相続関係説明図の添付が必要です。法務局での事前相談が大切です。
評価証明にない建物の評価
附属建物など評価証明にない建物も、移転登記には登録免許税がかかります。評価額は自分で計算して、建物の評価額に加算する必要があります。評価のための資料は、法務局のサイトからダウンロードできます。
相続税の申告と納付(令和2年相続開始)
申告に必要な資料は、国税庁のサイトに公開されています。「相続税の申告のしかた」を参照して申告書を作成します。評価明細書により財産を評価し、申告書の各表に記入して税額を計算します。PDFを編集して清書します。税務署での事前相談が必要です。
「相続税の申告のしかた」(令和2年分用)のポイント
「相続税の申告のしかた」は、相続税の申告方法が解説されています。相続税がかかる人、財産の評価方法、税額の計算方法、適用できる特例が網羅されています。不明点は国税局等のサイトで確認します。ここでは要点を整理しています。
相続税の計算と申告書の作成
相続税は、評価明細書による財産の評価、申告書の各表による特例の適用・費用の集計・税額加減算の順に計算して求めます。詳細は、相続税の申告のしかたに記載されています。国税局のサイトを参照する場合もあります。特例と非課税限度額を正しく適用します。
相続税上の土地の評価
相続税上の土地の評価は、路線価方式・倍率方式・宅地比準方式のいずれかになります。地目により評価方法が異なります。路線価があるかどうかは、路線価図と評価倍率表の記載で確認します。路線価のない土地は、評価倍率表により評価します。